JKSクリニック 下村宏院長その多くは頭痛、ほてり、消化不良、鼻づまり、背部痛であるが、いずれも軽度で一過性であることが多くED薬を服用している人の1割近くの方は経験されていると思う。稀だが知っておいてほしい副作用が3つあります。これをお知らせしますので、これらを経験されたら担当の医師或いは専門の医師にED薬を飲んでいる事を伝えて診察を受けて下さい。

1、突然の視野欠損(多くは片側)症状

 NAION(非動脈炎性前部虚血性視神経症)と呼ばれるもので、痛みは無く、起床時に気づくことが多いとされます。眼底所見では視神経乳頭浮腫の所見が認められるとの事です。我が国の発生率は不明ですが、アメリカでは年間1500~5000名の発症があると推定されています。

有効な治療法は存在せず、予防法も今のところ無いのですが、治療の目標は悪い方の目の病変の拡大防止と、異常の無い他側の目への波及を防止する事になります。NAIONの発症とED薬との関連に関しては、まだハッキリとはしていませんが、ED薬を常用していて、視野の異常を感じたら眼科医を受診してED薬を飲んでいる事を伝えて下さい。

2、突発性難聴

 北米、ヨーロッパとオーストラリアの医薬品監視機構のデータと論文を分析した報告によりますと、ED薬使用と突発性難聴の関連が疑われる47名が報告されていて、平均年齢は56.6歳、88%が片側性で左右同数、ED薬内服後24時間以内の発症が66.7%であったとの事です。

FDA(アメリカ食品医薬品局)の市販後調査によれば25症例があります。時間経過が分かっている17例中15例(88%)がED薬使用後24時間以内に発症しています。全症例中8例(32%)が発症時にめまいを自覚しています。96%が片側性。5例(20%)が完全に聴力を回復し、3例(12%)が部分回復したとの事。

 我が国においては、今の所まだ報告は無いようですが、聴覚の異常を感じたら直ちに耳鼻科を受診して下さい。

3、持続勃起症

 緊急処置を要する虚血性持続勃起症と緊急性のない非虚血性持続勃起症があります。虚血性持続勃起症の場合:性的刺激・性的興奮と無関係である勃起が4時間以上持続する場合、何らかの緊急処置が必要とされています。診断・治療が遅れると時間経過とともに海綿体組織に綿維化が生じて将来的な勃起機能が失われます。

この治療は誰でもどこでも出来る治療ではありませんので、初めから泌尿器科の専門医を受診されることをお勧めします。
※非虚血性持続勃起症:海綿体内は酸素化されているので緊急性は無いが泌尿器科専門医の診断を受けて下さい。

参考文献:<日本性機能学会>ED治療ガイドライン2012年版

この記事の執筆者 下村 宏

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