天秤ED治療薬には、バイアグラを例に挙げると25mg(低用量)と50mg(中用量)がありますが、用量が多い治療薬の方が効くと思っている方は多いかと思います。医師に低用量の治療薬を処方されて、「最初から高用量を処方して欲しい」と思った方もいるのではないでしょうか?今回は用量別に効果を検証した結果をご紹介します。

低用量から検証開始
横浜総合病院と北里大学医学部のチームは、EDの原因疾患に関わらず、ED治療薬を低用量から開始して、本人の症状や希望に応じて増量し、用量が安定して4ヶ月以上継続投与している37例を対象に、投与前と服用量が安定(投与後)してからIIEF5(国際勃起機能スコア)を使って検証しました。今回使用されたED治療薬は以下の通りです。

バイアグラ:25mg(低)、50mg(中)
レビトラ:5mg(低)、10mg(中)、20mg(高)
シアリス:5mg(低)、10mg(中)、20mg(高)

最終的な投与量は、低用量13例、中用量22例、高用量2例でした。合併症については、低用量および中・高用量においておのおの、糖尿病が2例および3例、高血圧を含む心血管系疾患4例および2例、更に中・高用量には尿道内術後2例、前立腺がん治療後5例がありました。

スコアの結果
結果、対象の全例において投与前と投与後でIIEF5のスコアが上がりました。これを用量別に見てみると、注目すべき点は低用量を維持したままでいた例の方が、スコアが高かったことです。(低用量では服用前10.0、服用後23.7に、中・高用量では9.2から16.4)中用量、高用量を服用している例は、十分な効果を得ている症例と、高用量でも効果不十分な器質的原因が潜んでいる症例が混在している可能性が考えられました。したがって、特にEDのリスクが高くなる合併症を有していない場合は、最初から高用量を服用するのではなく、低用量から始め、必要に応じて増量する方が良いと考えられました。

このことからもわかるように、ED治療薬は用量が高ければ高いほど効果があるわけではなく、症状によっては例え器質性のEDであっても低用量の方が良い結果を得られることがあるようです。