第23回日本性機能学会 東部総会2013年3月9日、宮城県仙台市の東北薬科大学において第23回 日本性機能学会東部総会が開催されました。中部、関東、東北を含めた東部地区のみでの開催でありながら、性機能における第一人者たる有名医師らが多数参加し、先進的研究成果の発表や、それに基づく活発な質疑応答やディスカッションが交わされ、総会は盛会裏に終了しました。

震災発生から2年目に相応しいテーマ
東北地方を中心に、甚大な被害を招いた東日本大震災の発生から2年目。この節目に被災地である宮城県で学会が開催されたこと、そして学会のテーマには震災後2年目に相応しく「若いちからと復興」という言葉が掲げられていたこと、これらのことについて、集まった参加者全員が感慨を覚えたに違いありません。演題の発表者はベテラン医師で構成されることが多いなか、「若いちから」ということで、今後の性機能医療をリードしていく期待の若手医師らも果敢に研究成果を発表しており、性機能医療の「これから」を見据えた発展性や将来性を感じさせる学会となりました。

射精障害への関心の高まりも演題に反映
今回の東部総会では、射精障害についても内容の濃い演題が提出され、活発な議論が展開されました。90年代にバイアグラが登場したことで、EDという聞き慣れなかった単語も一般社会にだいぶ浸透しましたが、それに伴って潜在的に男性が抱えていた別の性機能障害である射精障害(早漏、遅漏、逆行性射精など)も顕在化し、病状の訴えや罹患者自身の自覚度も上がってきました。勃起についての悩みだけでなく、射精についても悩む男性が多く存在するという現実を反映した現象といえます。学会では早漏、遅漏、逆行性射精障それぞれに対応した多様な臨床治験や基礎研究が発表され、今後の治療法として一般化しそうなものも検討されました。射精障害のフィールドも、症状のより詳細な解明や有効で簡便な治療法確立など、新しい局面を迎えつつあるのかもしれません。

東部総会で発表されたEDに関する興味深い演題についてや、総会開催の中心となった東北薬科大学 機能形態学教室の米沢章彦教授へのインタビューなど、ED治療ナビ内で順次公開していきます。