熟年夫婦ED(勃起不全)の原因は、ストレスやプレッシャーなどからくる精神的なものや、生活習慣病などの肉体的なものなど様々です。そんな中、EDの原因としては少し意外なものが、アメリカの研究で明らかになりました。

パートナー媒介症
コーンウェル大学とシカゴ大学の共同研究チームが、57歳から85歳までの男性3,005名を対象に実施した調査によると、妻が夫の友人と仲良くなりすぎると、夫はEDを起こしやすくなることが分かりました。この症状は「パートナー媒介症」と呼ばれるもので、研究では25%の男性が経験をしているようです。そして、このパートナー媒介症にかかってしまうと、そうではない男性よりも92%もEDを起こしやすくなるというのです。

原因は嫉妬ではない
これを聞くと、嫉妬心が引き金となってEDを起こすように思いますが、問題はそう単純なものではなく、単なる嫉妬よりも複雑です。男性は、妻が自分の友人と浮気するのではないかと心配しているのではないそうです。
男性は男同士の友情によって自立性、プライバシー、独立心を確立し、男らしさを実感しているので、女性が親友との間に割り込んでくると、自分の男らしさや男性としてのアイデンティティが脅かされるように感じるのです。

アラ還世代に多く発症
先にも述べた通り、この調査は57歳から85歳までの男性を対象に行われましたが、この中の若い世代で問題は特に深刻でした。57歳から64歳の男性にパートナー媒介症によるEDが最も多かったのです。この年代といえば、退職したり、仕事の権限がなくなったりして、人生を再構築しなければいけない時期であり、人生の節目を迎える時期にあたります。身体に問題がなく、健全な性生活を送れるはずの男性でも、この時期に妻が自分の友人と仲良くなりすぎた場合、自分の存在意義をおびやかされると感じてしまうことから、寝室での問題を抱えていました。

ただ幸いなことに、問題は年齢とともに少なくなるようで、70代や80代の男性では、夫婦が共通の友人を持ってもEDが見られませんでした。男らしさの定義や男性の自己認識が、年齢とともに変化するためかもしれません。

自分の友人に対して無愛想な妻よりは、感じの良い振る舞いをしてくれる方が望ましいですが、自分のEDを防止する為にも、妻と自分の友人には、例え何もなくても適度な距離を保ってもらった方が良さそうですね。