ジネット35(ニキビ治療薬:ダイアン35 ジェネリック)
ジネット35(Ginette-35)は、酢酸シプロテロン2.0mgとエチニルエストラジオール0.035mgを配合した1相性の低用量ピルです。先発品であるダイアン35のジェネリック医薬品であり、男性ホルモン(アンドロゲン)の働きを強力に抑える抗アンドロゲン作用により、外用薬や抗生物質では十分な改善が得られなかった中等度から重度のニキビや多毛症の治療に用いられます。
ニキビの主な原因の一つは、アンドロゲンの影響による皮脂腺の過剰な皮脂分泌です。有効成分の酢酸シプロテロンは、このアンドロゲンの作用を直接ブロックすることで皮脂の過剰分泌を根本から抑制します。さらに、エチニルエストラジオールとの配合により排卵を抑制する作用もあわせ持つため、服用中は避妊効果も期待できます。
ジネット35は1シート21錠入りで、毎日できるだけ同じ時刻に1錠ずつ21日間服用し、その後7日間の休薬期間を設けた合計28日間を1サイクルとして繰り返します。先発品のダイアン35と同一の有効成分・含有量であり、同等の治療効果が確認されたジェネリック医薬品のため、経済的な負担を抑えて入手できるのも利点です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
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ジネット35の概要
- ダイアン35のジェネリック医薬品として、酢酸シプロテロンとエチニルエストラジオールを配合した1相性の低用量ピル
- 抗アンドロゲン作用により、中等度~重度のニキビ・多毛症を改善
- 排卵抑制作用があるため、服用中は避妊効果も期待できる
ジネット35の製造元であるシプラ(Cipla)は、インドのムンバイに本社を置く大手製薬企業です。ジェネリック医薬品の分野で世界的に知られており、170か国以上に医薬品を供給しています。WHO事前資格審査(WHO Prequalification)を受けた製品の製造実績もあり、国際的な品質基準を満たす医薬品を提供しています。
| 商品名 | ジネット35(Ginette-35) |
|---|---|
| 内容量 | 21錠 |
| 効果・効能 | ・アンドロゲン感受性の中等度~重度のニキビ改善 ・多毛症の改善 ・避妊 |
| 有効成分 | ・酢酸シプロテロン(Cyproterone Acetate)2.0mg ・エチニルエストラジオール(Ethinylestradiol)0.035mg |
| 副作用 | ・頭痛 ・悪心 ・乳房の張り ・不正子宮出血 |
| 形状・剤形 | 錠剤(1相性) |
| ブランド | シプラ(Cipla) |
Atsuジネット35は、先発品のダイアン35と有効成分・含有量ともに同一のジェネリック医薬品です。一般的な低用量ピルとは異なり、酢酸シプロテロンという強力な抗アンドロゲン成分を含んでいる点が最大の特徴といえるでしょう。
男性ホルモンの働きを直接的に抑えることで皮脂の過剰分泌を改善し、ニキビの原因にアプローチする仕組みです。外用薬や抗生物質を試しても効果が不十分だった方にとって、有力な選択肢になり得ます。
ただし、血栓症のリスクには十分な注意が必要です。
喫煙される方(特に35歳以上)は禁忌とされており、40歳以上の方も原則として服用できません。服用前に必ず医師へ相談してください。
ジネット35はこんな方におすすめ
- 外用薬や抗生物質でニキビが改善しなかった方
- あごやフェイスラインに繰り返しニキビができる方
- 多毛症(過剰な体毛の発育)に悩んでいる方
- ニキビ治療と避妊を同時に行いたい方
- ダイアン35と同等の効果をより経済的に得たい方
ジネット35の有効成分について
ジネット35には酢酸シプロテロン(Cyproterone Acetate)2.0mgとエチニルエストラジオール(Ethinylestradiol)0.035mgの2つの有効成分が含まれています。
酢酸シプロテロンは抗アンドロゲン薬に分類され、男性ホルモン(アンドロゲン)がその受容体に結合するのを阻害します。皮脂腺はアンドロゲンの影響を強く受けるため、この作用によって皮脂の過剰分泌が抑えられ、ニキビの発生・悪化を防ぐことが可能です。
エチニルエストラジオールは合成エストロゲン(女性ホルモン)であり、排卵を抑制するとともに、肝臓での性ホルモン結合グロブリン(SHBG)の産生を促進します。SHBGが増加すると血中の遊離テストステロン(活性型男性ホルモン)が低下し、抗アンドロゲン作用がさらに強まる仕組みです。
Atsu2つの成分はそれぞれ異なる経路から男性ホルモンの影響を抑えます。酢酸シプロテロンがアンドロゲン受容体を直接ブロックする一方で、エチニルエストラジオールは肝臓でのSHBG産生を増加させ、血中の活性型男性ホルモンを間接的に低下させるのです。
この二方向からのアプローチにより、他の低用量ピル(レボノルゲストレルやデソゲストレル配合製剤など)よりも強力な抗アンドロゲン効果が得られます。
ジネット35の効果・効能
- アンドロゲン感受性の中等度~重度のニキビ改善
- 多毛症(ひげ・体毛の過剰な発育)の改善
- 避妊効果
ジネット35の主な適応は、外用薬や抗生物質による治療では十分な効果が得られなかった中等度〜重度のニキビです。有効成分である酢酸シプロテロンの抗アンドロゲン作用が、皮脂の過剰分泌の原因となるホルモンの働きを抑えることで、ニキビを根本から改善へと導きます。
ニキビへの効果は服用開始から約3か月(3サイクル)頃から実感しやすくなるとされています。なお、先発品であるダイアン35の臨床データでは、12サイクルの継続服用で高い改善率が報告されていますが、具体的な数値は試験デザインや評価基準によって異なる点にご留意ください。
また、多毛症に対しては体毛の発育をおだやかにする効果が期待できます。
さらに、排卵抑制作用をあわせ持つため、正しく服用すれば高い避妊効果も得られるでしょう。ただし、欧州医薬品庁(EMA)の勧告では、酢酸シプロテロン・エチニルエストラジオール配合薬はあくまでニキビや多毛症の治療を主目的として使用し、避妊効果は付随的なものとして位置づけるべきとされています。
Atsu「なかなか効果が出ない」と感じて途中で服用をやめてしまう方もいらっしゃいますが、ホルモンバランスの改善にはどうしても一定の時間がかかるものです。
ジネット35のニキビ改善効果が現れるまでには、一般に約3か月の服用期間が必要とされています。焦らずじっくり継続することが大切です。
なお、ニキビが十分に改善された後は、漫然と服用を続けるのではなく、3〜4サイクルを目安に服用の中止について医師と相談するようにしてください。
ジネット35の服用方法・使用方法
| 1回の用量 | 1錠 |
|---|---|
| 1日の服用回数 | 1回 |
| 服用するタイミング | 毎日同じ時刻に服用 |
| 服用期間 | 21日間服用 + 7日間休薬 = 1サイクル(28日間) |
生理が始まった日(1日目)から服用を開始し、シートの番号順に21日間毎日1錠を服用してください。21錠すべてを飲み終えたら、続く7日間は服用しません(休薬期間)。休薬期間中に消退出血(生理のような出血)が起こります。
7日間の休薬期間が終わったら、出血が続いていても新しいシートの1錠目から服用を再開してください。毎日できるだけ同じ時刻に服用することで、安定した効果が得られます。
飲み忘れた場合
- 本来の服用時刻から12時間以内に気づいた場合は、すぐに飲み忘れた1錠を服用してください。次の錠剤は通常どおりの時刻に服用します
- 12時間以上経過してしまった場合は、気づいた時点でできるだけ早く飲み忘れた分の1錠を服用し、次の錠剤は通常どおりの時刻に服用してください。服用を再開してから7日間は、コンドームなど他の避妊法を併用してください
生理日の調整
- 生理を早めたい場合:現在のシートの服用を予定より早く中止し、7日間の休薬期間に入ります。休薬期間中に消退出血(生理)が起こります
- 生理を遅らせたい場合:21錠を飲み終えた後、休薬期間を設けずにそのまま新しいシートの1錠目から続けて服用を開始します
いずれの場合も、事前に医師へ相談のうえで行うようにしてください。
Atsuジネット35は毎日できるだけ同じ時刻に服用することがとても大切です。飲み忘れを防ぐために、起床時や就寝前など、ご自身の生活リズムに合わせた服用タイミングをあらかじめ決めておくとよいでしょう。
万が一12時間以上飲み忘れた場合は、避妊効果が低下するおそれがあります。気づいた時点でできるだけ早く服用し、その後7日間はコンドームなど他の避妊法を併用するようにしてください。
飲み忘れによるニキビ治療効果への影響は、1〜2回程度であれば比較的限定的とされています。ただし、飲み忘れが続くとホルモンバランスが乱れ、不正出血や治療効果の低下を招くおそれがあるため、日々の服用習慣を大切にしましょう。
抗アンドロゲン作用とニキビ改善のメカニズム
ニキビの発生には、男性ホルモン(アンドロゲン)が深く関わっています。アンドロゲンが皮脂腺を刺激すると皮脂が過剰に分泌され、毛穴が詰まりやすくなることでニキビが繰り返し生じます。ジネット35に含まれる酢酸シプロテロンは、このアンドロゲンの作用を直接ブロックすることで、ニキビの根本的な原因であるホルモンバランスの乱れに働きかけるのです。
とくに、あご・フェイスライン・頬に繰り返し現れるニキビは、ホルモンの影響を強く受けやすい部位です。こうしたニキビは外用薬(塗り薬)や経口抗生物質だけでは表面的な対処にとどまりやすく、根本的な改善が難しいケースが少なくありません。
そのため、ホルモンレベルから皮脂分泌をコントロールできるジネット35が有効な治療の選択肢となります。まずは外用薬や抗生物質による治療を行い、それでも十分な効果が得られなかった場合に検討するセカンドライン(第二選択)の治療薬として位置づけられています。
ジネット35の警告・禁忌・副作用
警告
ジネット35の服用により、まれに血栓症(血管内に血のかたまりが生じる症状)が報告されています。血栓症は脚の深部静脈、肺、脳、心臓の血管に発生することがあり、生命にかかわる場合もあるため注意が必要です。
欧州医薬品庁(EMA)の評価では、酢酸シプロテロン・エチニルエストラジオール配合薬の静脈血栓塞栓症リスクはレボノルゲストレル含有ピルの1.5~2倍とされています。以下の症状が現れた場合はただちに服用を中止してください。
- 脚の突然の激しい痛み・腫れ
- 原因不明の息切れ・胸の痛み
- 激しい頭痛・視覚の異常
- 片側の手足の脱力・言語障害
禁忌(服用してはいけない方)
- 原則として40歳以上の方(個別の判断は医師にご相談ください)
- 喫煙される方(血栓症のリスクが大幅に高まります)
- 血栓性静脈炎・肺塞栓症・脳血管障害・冠動脈疾患の既往がある方
- 血栓性素因、抗リン脂質抗体症候群の方
- 前兆を伴う片頭痛がある方
- エストロゲン依存性悪性腫瘍(乳がん、子宮内膜がん)の既往がある方
- 重篤な肝臓障害・肝腫瘍のある方
- コントロール不良の高血圧の方(収縮期160mmHg以上または拡張期100mmHg以上など)
- 血管合併症を伴う糖尿病の方
- 心房細動を伴う心臓弁膜症の方、肺高血圧症の方
- 妊娠中・授乳中の方
- 手術前後4週間以内の方
副作用
ジネット35の服用で報告されている主な副作用は以下のとおりです。
| 副作用 | 症状 |
|---|---|
| 頭痛 | 服用初期に多い |
| 悪心・嘔吐 | 吐き気、胃の不快感 |
| 乳房の張り・痛み | ホルモン変化による一時的な症状 |
| 不正子宮出血 | 服用中の不規則な出血 |
| 体重変動 | むくみを伴う場合がある |
| 気分の変動 | 抑うつ感、神経過敏 |
これらの副作用は服用開始から1~3ヶ月で軽減することがほとんどです。体が新しいホルモン環境に慣れるまでの一時的な反応と考えられます。
重大な副作用
- 血栓症:深部静脈血栓症、肺塞栓症、脳卒中、心筋梗塞。頻度はまれですが、上記「警告」の症状に注意してください
- 肝機能障害:黄疸、肝腫瘍(長期服用の場合)
Atsuジネット35で最も注意すべき副作用は血栓症です。
発生頻度は非常にまれではありますが、脚の痛みや腫れ、突然の息切れ、激しい頭痛といった症状が現れた場合は、血栓症の前兆である可能性があります。ただちに服用を中止し、速やかに医療機関を受診してください。
血栓症のリスクは、喫煙・肥満(BMI 30以上)・長時間同じ姿勢を続けることなどによって高まります。
服用中は禁煙を徹底し、長時間のフライトや車での移動の際はこまめに足を動かしたり、十分な水分補給を心がけるようにしましょう。
一方、服用を始めたばかりの頃に現れやすい頭痛や悪心などの軽度の副作用は、体がホルモン環境の変化に適応するにつれ自然と軽減していくのが一般的です。
多くの場合、1〜3サイクルほどで落ち着きますので、過度に心配する必要はありません。
ジネット35の他の薬との相互作用
併用禁忌(併用してはいけない薬)
C型肝炎治療薬(オムビタスビル・パリタプレビル・リトナビル配合剤)
ジネット35と併用すると、肝機能検査値(ALT)が上昇し、肝臓への負担が増大するおそれがあります。
- ヴィキラックス配合錠などのC型肝炎治療薬を服用中の方は、ジネット35を服用しないでください
他の女性ホルモン製剤(低用量ピル、ホルモン補充療法薬など)
エストロゲンの過剰摂取となり、血栓症リスクが大幅に高まります。
- 他のピルやホルモン製剤と同時に服用しないでください
併用に注意すること
抗てんかん薬(フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタールなど)
肝臓の薬物代謝酵素を誘導し、ジネット35の血中濃度を低下させることがあります。
- ジネット35の効果(避妊効果・ニキビ改善効果)が減弱する可能性があるため、他の避妊法の併用を検討してください
抗菌薬(リファンピシン、テトラサイクリン系、ペニシリン系など)
リファンピシンは薬物代謝酵素を強力に誘導し、ジネット35の効果を大きく低下させます。テトラサイクリン系・ペニシリン系の抗菌薬は腸内細菌叢に影響し、エチニルエストラジオールの再吸収を妨げることがあります。
- 抗菌薬の服用中および服用終了後7日間は、他の避妊法を併用してください
セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)
ハーブサプリメントの一種ですが、薬物代謝酵素を誘導する作用があり、ジネット35の効果を低下させるおそれがあります。
- ジネット35の服用中はセイヨウオトギリソウを含む製品の使用を控えてください
ジネット35の注意事項
- ジネット35は避妊のみを目的とした長期使用は推奨されていません。ニキビや多毛症の治療が目的です
- 服用中は6か月ごとの定期検診(血圧測定、臨床検査、乳房検査)を受けてください
- 年に1回以上、婦人科検査と子宮頸がん検診を受けてください
- ジネット35はHIVや性感染症を予防する効果はありません。必要に応じてコンドームを使用してください
- PTPシートから取り出した状態で保管しないでください
- 使用期限を過ぎた錠剤は服用せず、適切に廃棄してください
- 直射日光・高温多湿を避け、涼しい場所で保管してください
ジネット35のよくある質問
ジネット35とダイアン35の違いは何ですか?
ジネット35はダイアン35のジェネリック医薬品です。有効成分(酢酸シプロテロン2.0mg+エチニルエストラジオール0.035mg)や効果・効能は同じであり、品質も同等の基準で製造されています。
ジェネリック医薬品であるため、先発品のダイアン35と比較して経済的な負担を抑えて入手できる点が大きな違いです。
ジネット35は避妊薬として使えますか?
ジネット35には排卵を抑制する作用があるため、正しく服用すれば避妊効果も期待できます。
ただし、ジネット35はニキビや多毛症の治療を目的とした医薬品であり、避妊のみを目的とした長期使用は推奨されていません。他のピルとの併用も禁止されています。
ニキビ改善にはどのくらいの期間が必要ですか?
服用開始から約3ヶ月(3シート)頃から効果が実感できるようになるのが一般的です。
12か月の継続服用で約91%の方に改善が報告されています。ニキビが十分に改善した後は、3~4ヶ月を目安に服用の中止を検討してください。
ジネット35を服用中に喫煙してもよいですか?
ジネット35の服用中は禁煙してください。喫煙はホルモン剤による血栓症リスクを大幅に高めることが分かっています。
とくに35歳以上で喫煙される方は、血栓症のリスクがさらに高まるため、ジネット35の服用は禁忌とされています。服用を開始する前に禁煙することが重要です。