スモスト(禁煙補助薬:チャンピックス ジェネリック)
スモスト(Sumost)は、有効成分バレニクリン酒石酸塩を配合した禁煙補助薬であり、チャンピックスのジェネリック医薬品です。
バレニクリンは脳内のニコチン受容体に部分的に作用することで、喫煙による満足感を減少させるとともに、禁煙に伴うニコチン離脱症状(イライラ、集中力低下、不安感など)を緩和します。ニコチンを含まない非ニコチン製剤であるため、ニコチン依存から根本的に脱却するためのアプローチとして位置づけられています。
12週間の段階的な服用スケジュールに従って使用し、臨床試験では約65%の持続禁煙率が報告されています。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
スモストの概要
- バレニクリン酒石酸塩を配合した非ニコチン性禁煙補助薬(チャンピックス ジェネリック)
- α4β2ニコチン性アセチルコリン受容体への部分作動薬として、喫煙欲求を抑制し離脱症状を緩和
- 12週間の段階的服用スケジュールで禁煙を支援
- 0.5mg錠と1mg錠の2規格あり
- センチュリオンラボラトリーズが製造
スモストの製造元はセンチュリオンラボラトリーズ(Centurion Laboratories Pvt. Ltd.)です。センチュリオンラボラトリーズはインド・グジャラート州に拠点を置く製薬企業で、WHO-GMP認証を取得した製造施設においてジェネリック医薬品を製造・販売しています。
| 商品名 | スモスト(Sumost) |
|---|---|
| 有効成分 | バレニクリン酒石酸塩(Varenicline Tartrate) |
| 規格 | ・0.5mg ・1mg |
| 内容量 | 28錠 |
| 効果・効能 | ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙の補助 |
| 用法・用量 | 12週間の段階的増量スケジュールに従って服用 |
| 副作用 | ・吐き気 ・不眠 ・頭痛 ・異常な夢 |
| 形状・剤形 | フィルムコーティング錠 |
| ブランド | センチュリオンラボラトリーズ(Centurion Laboratories) |
Atsuスモストは、禁煙補助薬チャンピックス(ファイザー社)のジェネリック医薬品です。
有効成分バレニクリンの種類・用量は先発品と同一であり、同等の薬理作用が期待できます。
チャンピックスは日本において2008年1月に製造販売承認を取得しましたが、製造工程で発がん性物質であるN-ニトロソバレニクリン(ニトロソアミン類)が許容限度値を超えて検出されたことを受け、ファイザー社は2021年6月に自主回収および出荷停止を決定しました。
2026年4月現在も国内での供給再開には至っていません。
バレニクリンはニコチンを含まない禁煙補助薬であり、ニコチンパッチやニコチンガムといったニコチン置換療法(NRT)とは作用機序が根本的に異なります。
NRTがニコチンを少量ずつ体内に補給し離脱症状を緩和するアプローチであるのに対し、バレニクリンはα4β2ニコチン性アセチルコリン受容体に直接結合して部分的に刺激することで離脱症状を和らげ、同時にニコチンの結合を阻害して喫煙時の満足感を減弱させます。
コクランレビュー(2024年更新)では、バレニクリンはNRT単独療法と比較して有意に高い禁煙成功率を示すことが確認されており、現在利用可能な禁煙補助薬のなかで最も有効性の高い単剤療法のひとつと位置づけられています。
スモストはこんな方におすすめ
- 禁煙したいが自力ではなかなかやめられない方
- ニコチンパッチやニコチンガムでは禁煙に成功しなかった方
- 日本でチャンピックスが入手困難なため代替品を探している方
- ニコチンを含まない禁煙補助薬を希望する方
スモストの有効成分について
スモストには、ニコチン受容体部分作動薬であるバレニクリン酒石酸塩が配合されています。
バレニクリンは脳内のα4β2ニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、2つの作用を同時に発揮します。ひとつは部分作動薬としての作用で、ニコチンの代わりに受容体を穏やかに刺激し、禁煙に伴う離脱症状(イライラ、不安、集中困難など)を緩和します。
もうひとつは拮抗薬としての作用で、喫煙した際にニコチンが受容体に結合するのを阻害し、喫煙による満足感や快感を減少させます。この二重の作用により、喫煙欲求の抑制と離脱症状の緩和を同時に実現します。
Atsuバレニクリンの「部分作動薬」という薬理学的特性は、禁煙治療において極めて重要な意味を持っています。
完全作動薬であるニコチンそのものを投与すれば依存を維持してしまい、完全拮抗薬では離脱症状を緩和できません。
バレニクリンはα4β2受容体を介してニコチンの約40〜60%程度のドパミン放出を促すことが基礎研究(Coe JW et al. J Med Chem. 2005)で示されており、離脱症状を和らげつつもニコチンへの依存を強化しないバランスの取れた作用を発揮します。
チャンピックスの添付文書に記載された国内第III相臨床試験では、9〜12週目の4週間持続禁煙率はバレニクリン群65.4%に対しプラセボ群39.5%でした。
ただし、この数値は臨床試験という管理された環境下でのデータであり、実臨床での禁煙成功率はこれよりも低くなる可能性がある点にはご留意ください。
スモストの効果・効能
- ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙の補助
チャンピックスの国内臨床試験では、バレニクリン1mg 1日2回投与群における9から12週目の4週間持続禁煙率は65.4%であり、プラセボ群(39.5%)と比較して有意に高い禁煙成功率が確認されています。
また、ニコチンパッチとの比較試験(海外)では、バレニクリン群のほうがニコチンパッチ群よりも高い禁煙率を示したとの報告もあります。
スモストの服用方法
スモストは12週間の段階的増量スケジュールに従って服用します。禁煙開始日を決め、その1週間前から服用を開始してください。
| 期間 | 用量 | 服用回数 |
|---|---|---|
| 1から3日目 | 0.5mg | 1日1回(食後) |
| 4から7日目 | 0.5mg | 1日2回(朝・夕食後) |
| 8日目から12週目 | 1mg | 1日2回(朝・夕食後) |
服用スケジュールのポイント
- 禁煙開始日の1週間前から服用を開始してください(服用開始後8日目が禁煙開始日となります)
- 食後に服用し、コップ1杯の水と一緒に飲んでください(吐き気を軽減するため)
- 12週間の服用を完了してください(途中で中止すると再喫煙率が高まります)
- 12週間で禁煙に成功した場合、さらに12週間の延長投与により長期禁煙率の向上が期待できます
Atsuスモストの服用で最も重要なのは、禁煙開始日の1週間前から服用を始めるという点です。
最初の1週間は喫煙を続けながらバレニクリンの血中濃度を定常状態まで上昇させていく期間にあたります。
バレニクリンの消失半減期は約24時間であり、定常状態に到達するまでおおむね4日程度かかるとされています。
この期間中に「タバコがおいしくなくなった」「喫煙本数が自然に減った」と感じ始める方も少なくありません。
8日目(禁煙開始日)以降は完全に喫煙を中止してください。
吐き気はバレニクリンで最も頻度の高い副作用(国内臨床試験で約30%)ですが、食後にコップ1杯程度の水で服用することで大幅に軽減できます。
空腹時の服用は避けましょう。
服用開始から1〜2週間で吐き気が軽減するケースが多く報告されていますが、耐えられない場合は1mg錠を0.5mgに減量して継続する選択肢もあります。
自己判断で中止せず、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
スモストの警告・禁忌・副作用
警告
- 精神神経系の副作用(抑うつ、自殺念慮、攻撃性、興奮など)が報告されています。気分の変化や行動の異常が現れた場合は、直ちに服用を中止し医師に相談してください
禁忌(服用できない方)
- バレニクリン酒石酸塩に対して過敏症の既往歴がある方
副作用
スモストで起こる可能性のある主な副作用は以下のとおりです。
- 吐き気(最も多い副作用、約30%)
- 不眠
- 異常な夢(鮮明な夢)
- 頭痛
- 便秘
- 腹部膨満感
吐き気は食後に服用することで軽減できます。多くの副作用は一過性であり、服用を継続するうちに軽減していく傾向があります。
重篤な副作用
ごくまれに、以下のような重篤な副作用が報告されています。
- 精神神経症状(抑うつ、自殺念慮、攻撃性、興奮、行動の変化)
- 血管浮腫、アナフィラキシー
- 皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)
- 心血管系イベント
Atsuバレニクリンで最も注意すべきなのは精神神経系の副作用です。
抑うつ気分、不安、焦燥感、興奮、攻撃性、自殺念慮などが報告されており、FDAはかつてBlack Box Warning(枠組み警告)を付していました。
その後の大規模臨床試験(EAGLES試験)の結果、精神神経系の重篤な有害事象の発生率がプラセボ群と有意差がないことが示され、2016年にBlack Box Warningは解除されています。
ただし、うつ病など精神疾患の既往がある方は服用中の気分の変化に十分注意し、異常を感じたら直ちに服用を中止して医師に相談してください。
なお、禁煙そのものがイライラや抑うつを引き起こすことがあるため、薬の副作用と禁煙の離脱症状を区別するのが難しい場合もあります。
スモストの注意事項
- 気分の落ち込み、不安、攻撃性などの精神症状が現れた場合は直ちに服用を中止してください
- 12週間の服用を完了してください(途中中止は再喫煙リスクを高めます)
- めまいや眠気が生じることがあるため、車の運転には注意してください
- 妊娠中・授乳中の方は服用を避けてください
- 腎機能が低下している方は用量の調整が必要な場合があります
- 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管してください
- こどもの手の届かない場所に保管してください
スモストのよくある質問
スモストとチャンピックスの違いは何ですか?
スモストはチャンピックス(ファイザー社)のジェネリック医薬品です。有効成分バレニクリンの種類と用量は同一であり、効果は同等と考えられています。
チャンピックスは日本で2021年6月から出荷停止が続いており、入手が困難な状況です。スモストはその代替品として利用できます。
吐き気がひどいのですが対策はありますか?
吐き気はバレニクリンで最も多い副作用ですが、食後に服用することで大幅に軽減できます。空腹時の服用は避けてください。
それでも吐き気が強い場合は、1mg錠を0.5mgに減量して継続する方法もあります。症状がひどい場合は医師に相談してください。
服用中にタバコを吸ってしまったらどうなりますか?
服用開始後の最初の1週間は喫煙を続けても問題ありません。禁煙開始日(8日目)までにバレニクリンの血中濃度を上げていくための期間です。
禁煙開始後に喫煙してしまった場合でも、服用を中止せずに継続してください。バレニクリンの効果により、喫煙しても以前ほどの満足感が得られなくなっていることを実感する方が多いです。
ニコチンパッチと併用できますか?
バレニクリンとニコチン製剤(パッチ・ガム)の併用は、チャンピックスの添付文書において併用注意とされています。バレニクリンはニコチン受容体に結合して作用する薬剤であるため、ニコチン製剤と併用すると吐き気、頭痛、めまい、倦怠感などの副作用が増強されるおそれがあります。
スモストを使用する場合は、ニコチンパッチやニコチンガムの使用を中止してください。
なお、一部の海外ガイドラインではバレニクリンとニコチンパッチの併用が禁煙率を向上させる可能性を示唆する報告もありますが、安全性データが十分とは言えず、自己判断での併用は避けるべきです。
12週間より早く禁煙に成功したらやめてもよいですか?
12週間の服用を完了することが推奨されます。途中で服用を中止すると、再喫煙のリスクが高まります。
12週間で禁煙に成功した場合は、さらに12週間の延長投与により長期的な禁煙維持率の向上が期待できます。延長投与については医師に相談してください。
スモストに関連する添付文書等の参考資料
スモストの有効成分(バレニクリン)に関する参考資料を以下に掲載します。