ロコダーム(皮膚炎治療薬:ロコイド ジェネリック)
ロコダーム(Locoderm)は、有効成分ヒドロコルチゾン酪酸エステル0.1%を含有するステロイド外用薬(軟膏)です。先発品ロコイド軟膏と同一の成分・濃度で製造されたジェネリック医薬品であり、湿疹や皮膚炎、乾癬などの皮膚トラブルに幅広く使用されている薬剤です。
ステロイド外用薬の強さは5段階に分類されており、ロコダームは下から2番目の「ミディアム(普通)」に該当します。作用が穏やかで副作用リスクが比較的低いため、顔や首、陰部などデリケートな部位にも使用しやすいのが特徴です。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
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ロコダームの概要
- 先発品ロコイド軟膏(鳥居薬品)のジェネリック医薬品で、有効成分ヒドロコルチゾン酪酸エステル0.1%を含有
- ステロイドの強さは5段階中「ミディアム(普通)」で、作用が穏やか
- 顔や首、陰部などデリケートな部位にも使用できる
ロコダームの製造元はサンタファルマ(Santa Farma İlaç Sanayii A.Ş.)です。1944年にトルコ・イスタンブールで創業した老舗製薬企業であり、EU-GMP認証を複数取得した実績を持ちます。先発品のロコイド軟膏は鳥居薬品が日本国内で製造販売しています。
| 商品名 | ロコダーム(Locoderm) |
|---|---|
| 内容量 | 30g |
| 効果・効能 | ・湿疹・皮膚炎群 ・痒疹群 ・乾癬 ・掌蹠膿疱症 |
| 有効成分 | ヒドロコルチゾン酪酸エステル 0.1% |
| 副作用 | ・皮膚炎 ・乾皮様皮膚 ・ざ瘡様疹 ・毛包炎 |
| 形状・剤形 | 軟膏(チューブ) |
| ブランド | サンタファルマ(Santa Farma) |
Atsuヒドロコルチゾン酪酸エステルは、1975年に「ロコイド軟膏」として日本で承認されて以来、約50年にわたる臨床使用実績がある成分です。
ステロイド外用薬の中でも作用が穏やかなミディアムクラスに分類されており、顔面の湿疹や乳幼児のアトピー性皮膚炎にも処方されます。
ロコダームは先発品ロコイド軟膏と有効成分・濃度が同一のジェネリック医薬品です。
ただし、添加物(基剤成分)が先発品と異なる場合があるため、塗り心地や皮膚への刺激感にわずかな差を感じる可能性がある点はご留意ください。
ロコダームはこんな方におすすめ
- 湿疹やかぶれなどの皮膚炎症状を改善したい方
- 顔や首など皮膚が薄い部位に使えるステロイド外用薬を探している方
- ロコイド軟膏と同等の効果をより手頃な価格で求めている方
- 虫刺されやあせもによるかゆみ・赤みを抑えたい方
- アトピー性皮膚炎の部分的な症状を短期間で改善したい方
ロコダームの有効成分について
ロコダームの有効成分はヒドロコルチゾン酪酸エステル(hydrocortisone butyrate)です。合成副腎皮質ステロイドの一種で、体内で生成されるヒドロコルチゾン(コルチゾール)に酪酸エステル基を結合させた誘導体にあたります。
皮膚に塗布すると、細胞内のグルココルチコイド受容体に結合して抗炎症作用を発揮し、炎症性サイトカインやプロスタグランジンなどの産生を抑制します。これにより、皮膚の赤み・腫れ・かゆみが軽減される仕組みです。
ヒドロコルチゾン酪酸エステルは非フッ素化ステロイドに分類され、フッ素化ステロイドと比較して皮膚萎縮などの局所副作用が起こりにくいとされています。日本では1975年にロコイド軟膏0.1%として承認され、長年にわたり皮膚科領域で使用されてきた成分です。
ロコダームの効果・効能
- 湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎を含む)
- 痒疹群(蕁麻疹様苔癬、ストロフルスを含む)
- 乾癬
- 掌蹠膿疱症
ロコダームはステロイドの抗炎症作用により、皮膚の赤み、腫れ、かゆみを速やかに軽減します。湿疹やかぶれ、虫刺され、あせもなど日常的な皮膚トラブルから、乾癬や掌蹠膿疱症といった慢性疾患まで幅広く対応できる薬剤です。
ミディアムクラスのステロイドであるため、強力な抗炎症効果よりも安全性と使いやすさのバランスに優れているのが特徴です。特に顔面や陰部など、皮膚が薄くステロイドの経皮吸収量が多くなりやすい部位の治療に適した薬剤といえるでしょう。
ただし、毛細血管拡張のみの症状や、細菌・真菌・ウイルスによる皮膚感染症に対しては使用できません。症状に合った適切な治療を行うため、使用前に症状の原因を確認してください。
ロコダームの使用方法
| 1回の使用量 | 適量(患部全体に薄く伸ばせる量) |
|---|---|
| 1日の使用回数 | 1〜数回 |
| 使用するタイミング | 患部を清潔にした状態で塗布 |
| 使用期間の目安 | 短期間(症状改善後は速やかに中止) |
患部を清潔にした後、1日1〜数回、適量を薄く伸ばすように塗布してください。「適量」の目安として、人差し指の先端から第一関節までチューブから出した量(約0.5g)で、手のひら2枚分の面積をカバーできます。
効果的な塗り方
- 清潔な指に適量を取り、患部に「乗せる」ような感覚で優しく広げてください
- 擦り込まず、均一な厚さで塗布するのがポイントです
- 塗布後はティッシュが軽く付着する程度の薄さが目安になります
- 保湿剤と併用する場合は、保湿剤を先に塗り、十分に乾いてからロコダームを塗布してください
使用上の注意
- 眼や口などの粘膜部分には使用しないでください
- 症状が改善したら速やかに使用を中止し、漫然と長期間にわたる使用は避けてください
- 大量または広範囲への長期使用、密封法(ラップ等で覆う方法)は副腎皮質機能の抑制を引き起こすおそれがあります
- 使用しても改善が見られない、または悪化した場合は使用を中止してください
Atsuステロイド外用薬に対して「怖い」「できるだけ使いたくない」というイメージをお持ちの方は少なくありません。
しかし、ロコダームはミディアムクラスの穏やかなステロイドであり、適切な量を短期間使用する限り、重い副作用が生じるリスクは低い薬剤です。
むしろ、ステロイドを避けて炎症を放置することで症状が慢性化・悪化するケースもあるため、必要な場面ではしっかり使い切ることが大切といえるでしょう。
ただし、自己判断で漫然と使い続けることは避けてください。
目安として、顔面であれば1〜2週間、体幹・四肢であれば2〜4週間使用しても改善が見られない場合は、別の原因や治療法を検討する必要があります。
その際は医師や薬剤師にご相談ください。
ステロイド外用薬の強さとロコダームの位置づけ
日本ではステロイド外用薬の強さを5段階に分類しています。ロコダームに含まれるヒドロコルチゾン酪酸エステルは、下から2番目の「ミディアム(普通)」に位置づけられており、穏やかな作用と安全性のバランスが取れたクラスです。
| ランク | 強さ | 代表的な薬剤 |
|---|---|---|
| ストロンゲスト(最も強い) | Ⅰ群 | デルモベート、ダイアコート |
| ベリーストロング(非常に強い) | Ⅱ群 | アンテベート、マイザー |
| ストロング(強い) | Ⅲ群 | リンデロン-V、ボアラ |
| ミディアム(普通) | Ⅳ群 | ロコイド、アルメタ |
| ウィーク(弱い) | Ⅴ群 | プレドニゾロン軟膏 |
ミディアムクラスは抗炎症効果が穏やかな一方で、顔面・陰部・乳幼児への使用にも適しているとされるクラスです。これらの部位は皮膚のバリア機能が弱く、強いステロイドでは皮膚萎縮や毛細血管拡張といった副作用が出やすいため、ミディアム以下のランクが選択されるのが一般的でしょう。
軟膏タイプは基剤に油分(ワセリンなど)を多く含むため、クリームやローションと比較して皮膚への刺激性が低いのが利点です。びらん面にも使用しやすく、保湿力にも優れているため、乾燥を伴う皮膚トラブルとの相性が良い剤形といえるでしょう。
ロコダームの禁忌・副作用
禁忌(使用してはいけない方)
以下に該当する方はロコダームを使用しないでください。
- ヒドロコルチゾン酪酸エステルまたは本剤の成分に対してアレルギーの既往がある方
- 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルスによる皮膚感染症がある方
- 疥癬やけじらみなどの動物性皮膚疾患がある方
- 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎の方
- 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷がある方
副作用
ロコダームの副作用はおもに使用部位の局所反応です。ミディアムクラスのステロイドであるため、適正な使用期間・使用量を守れば重い副作用は起こりにくい薬剤です。
| 関係部位 | 主な症状 |
|---|---|
| 皮膚(一般的) | ・皮膚炎 ・乾皮様皮膚 ・ざ瘡様疹(ニキビ様のぶつぶつ) ・毛包炎 ・刺激感・紅斑 |
| 皮膚(長期使用時) | ・皮膚萎縮(皮膚が薄くなる) ・ステロイドざ瘡 ・毛細血管拡張 ・色素脱失 ・多毛 |
| 感覚器(顔面長期使用時) | ・眼圧亢進 ・緑内障 ・後嚢下白内障 |
重篤な副作用
大量使用・長期使用・広範囲への使用・密封法(ODT)により、まれに以下の全身性副作用が報告されています。
- 副腎皮質機能抑制(倦怠感、脱力感など)
- 酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(顔面の潮紅、膿疱、毛細血管拡張)
Atsuロコダームはミディアムクラスのステロイドであり、適正な使用量・期間を守っていれば重篤な副作用が生じることはまれです。
ただし、顔面への長期使用には注意が必要です。
酒さ様皮膚炎(顔の赤み・ほてり・膿疱が持続する状態)や、眼周囲に使用した場合の眼圧上昇リスクがあるため、顔への塗布は必要最小限の期間にとどめてください。
また、ステロイド外用薬を長期使用した後に急に中止すると、リバウンド(一時的な症状の悪化)が起こる場合があります。
「皮膚が薄くなってきた」「赤みがかえって引かなくなった」と感じた場合は自己判断で急に中止せず、医師や薬剤師に相談のうえ、段階的に使用頻度を減らしていくことが望ましいでしょう。
ロコダームの他の薬との相互作用
ロコダームは外用薬(塗り薬)であるため、内服薬のような全身的な薬物相互作用はほとんどありません。ただし、同じ部位に他の外用薬を併用する場合や、使用方法によっては注意が必要です。
併用に注意すること
他のステロイド外用薬
同一部位に複数のステロイド外用薬を重ねて使用すると、ステロイドの総吸収量が増加し、副作用リスクが高まります。
- 同一部位への重ね塗りは避けてください
- 部位ごとに1種類のステロイド外用薬を使用してください
外用抗菌薬・抗真菌薬
皮膚感染を伴う湿疹・皮膚炎では、抗菌薬や抗真菌薬との併用が必要になる場合があります。
- 併用する場合は、抗菌薬・抗真菌薬を先に塗布し、乾いてからロコダームを使用してください
- 感染症状が改善しない、または悪化する場合は使用を中止してください
密封法(ODT)
ラップやフィルムで患部を覆う密封法は、ステロイドの皮膚からの吸収量を大幅に増加させます。
- 密封法を用いる場合は副腎皮質機能抑制のリスクが高まるため、広範囲への使用は避けてください
- 自己判断での密封法は行わず、医師の指示に従ってください
ロコダームの注意事項
- 眼や口などの粘膜部分には使用しないでください
- 症状が改善したら速やかに使用を中止してください。漫然とした長期使用は避けましょう
- 大量使用・広範囲への使用を長期間続ける場合は、定期的に副腎皮質機能の確認が望ましいです
- 化粧下やひげそり後の使用は避けてください
- 直射日光の当たらない涼しい場所に保管してください
- 小児の手の届かない所に保管してください
- 使用期限を過ぎたものは使用しないでください
ロコダームのよくある質問
ロコダームとロコイド軟膏の違いは何ですか?
有効成分と濃度は同一です。どちらもヒドロコルチゾン酪酸エステル0.1%を含有しています。
ロコイド軟膏は鳥居薬品が製造販売する先発品、ロコダームはサンタファルマ社が製造するジェネリック医薬品です。有効成分が同じため、同等の効果が期待できます。添加物(基剤など)に多少の違いがある場合がありますが、治療効果に大きな差はありません。
顔や陰部にも使用できますか?
使用できます。ロコダームはミディアムクラスのステロイドであり、皮膚が薄い顔面や陰部、首、脇の下などのデリケートな部位にも比較的安全に使用できる薬剤です。
ただし、顔面への長期使用は酒さ様皮膚炎や眼への影響のリスクがあるため、症状が改善したら速やかに使用を中止してください。
どのくらいの期間使用できますか?
原則として短期間の使用に留めてください。明確な期間の上限は定められていませんが、症状が改善したら速やかに中止するのが基本的な使い方です。
1〜2週間使用しても改善が見られない場合は、別の原因や治療法を検討する必要があるため、医師にご相談ください。漫然とした長期使用は皮膚萎縮や毛細血管拡張のリスクを高めます。
保湿剤と併用する場合の順番は?
保湿剤を先に塗り、十分に乾いてからロコダームを塗布してください。ロコダームを先に塗ると、後から塗った保湿剤によってステロイドが意図しない範囲に広がり、副作用リスクを高めるおそれがあります。
赤ちゃんや小さな子どもにも使えますか?
小児への使用は可能ですが、注意が必要です。ロコイドの添付文書では、小児は成人と比較してステロイドの体表面積あたりの吸収量が多く、副腎皮質機能抑制やクッシング症候群が現れやすいと記載されています。
おむつは密封法と同様の作用を持つため、おむつ部位への使用は特に慎重に行ってください。小児への使用は必要最小限の範囲・期間にとどめることが重要です。
ロコダームに関連する添付文書等の参考資料
以下の参考資料は、ロコダームの有効成分であるヒドロコルチゾン酪酸エステルに関する公的機関の医薬品情報です。