風間さん(46歳・男性)からの質問

未だにレビトラがなかなか手に入りにくいし、ジェネリックも非正規なのでどうすることもできない状況なのですが、もしレビトラの代替品というか類似医薬品などあれば、それも試してみたいとも思っています。そういったお薬ってあるのでしょうか?

回答

正確にコレ!というような代替品といえるED治療薬はありませんが、有効成分の構造式も似ていて、効果自体も類似しているバイアグラを代替として服用してみるのも良いかもしれません。バイアグラ自体は特許がすでに満了しているので価格の安いバイアグラのジェネリック薬とするのも選択肢の一つかもしれません。

レビトラとバイアグラの類似点

レビトラの有効成分であるバルデナフィル塩酸塩水和物と、バイアグラの有効成分であるシルデナフィルクエン酸塩の構造式は非常に似ていて、大きな違いはクエン酸か塩酸かの違いくらいといえます。他には炭素の位置が違っていたり、メチル基かエチル基かの違い程度しか違いはありません。同じED治療薬のシアリスの有効成分であるタダラフィルの構造式は全く異なっており、構造式だけで見ればバイアグラの方が類似していると考えられます。

レビトラとバイアグラは構造式だけでなく、効果・効能もかなり似ているといえます。レビトラの10mg錠とバイアグラの50mg錠はほぼ同等の効力を発揮します。この2錠で考えると、両方とも作用までの時間が30分~1時間程度といわれているので、性行為の1時間前頃が適切な服用のタイミングといわれています。また、作用時間も両方とも5時間程度は持続します。

レビトラとバイアグラの注意点

服用した際にあらわれる副作用も「顔のほてり」「目の充血」「頭痛」「動悸」「鼻づまり」といったもので、レビトラもバイアグラも同じ症状が出るといえます。またレビトラの場合はHIV治療薬を使用中の人や人工透析中の人などに処方することは認められていませんが、バイアグラでは処方することができるといった利点もあります。

しかしレビトラもバイアグラも、ニトログリセリンなどの一酸化窒素供与剤や硝酸薬を投与している人、狭心症や重度の心血管系障害・心不全などの心臓に関わる持病がある人、脳梗塞や脳出血などの脳血管に疾患のある人、重度の肝機能障害のある人、塩酸アミオダロンを含む抗不整脈薬を服用している人などは、急激な血圧低下などで死亡事故につながる可能性があるため、併用することは認められていません。

レビトラとバイアグラの違い

レビトラとバイアグラの大きな違いは、服用後の即効性でしょう。バイアグラもシアリスに比べると短時間で効果があらわれる治療薬ではありますが、レビトラの有効成分である塩酸バルデナフィル水和物が水に溶けやすいという性質上、レビトラはバイアグラに比べるとかなり早く効果があらわれるといわれています。しかし服用のタイミングを調整したり、空腹時にバイアグラを服用するようにするなど工夫をすることで、レビトラほどではないにしても短期間的な効果の実施が期待できるかと思われます。

また、食後に服用すると効果が半減するといわれるバイアグラに比べると、レビトラは食事の影響を受けにくいというもの特徴の一つといえます。しかしレビトラも全く食事の影響を受けないわけではなく、過剰な脂質を摂取すると効果が低下する可能性があるのでご注意ください。

代替するならジェネリック

今のところバイアグラが成分や効果的にもレビトラと似ているED治療薬と思われます。中でも比較的安価に手に入れやすいバイアグラのジェネリック薬を代替案として試してみるのが良いかもしれません。

ファイザー製薬の所有するバイアグラの特許が2013年に満了となっているため、他の医薬品メーカーからバイアグラの有効成分であるシルデナフィルを含有するED治療薬がジェネリック薬としてすでに販売されています。厚生労働省の認可を受けた日本国内の「正規」のバイアグラジェネリック薬もいくつかの種類があり、さまざまなクリニック等で処方されています。これらのジェネリック薬は一般的に「シルデナフィル錠」とよばれており、効果的にはどのジェネリック薬も厚生労働省の承認済みなので変化はないと考えて問題ありません。

バイアグラのジェネリックとは

東和薬品株式会社、キッセイ薬品工業株式会社、株式会社陽進堂、武田薬品株式会社、富士化学工業株式会社、大興製薬株式会社、シオノケミカル株式会社などの日本の製薬企業が現在バイアグラのジェネリック薬を製造・販売しています。基本的にはどのジェネリック薬も大差は無く、同一の有効成分なので効果もあまり変わりません。横一線のバイアグラのジェネリック薬ですが、東和薬品株式会社のジェネリックが少し変わり種の商品かもしれません。一見、他のジェネリック錠剤と変わりはありませんが、レモン味とコーヒー味という「味」が付けられているのが最大の特徴です。噛み砕くと非常に苦かったバイアグラ錠のイメージを払しょくするためか、味付きの錠剤はかなり画期的であり、水なしでラムネのように口の中で溶けてしまうので飲みやすい錠剤といえます。

この他にもフィルム状の薬剤も販売されており、こちらは本家バイアグラでもファイザー製薬から「バイアグラODフィルム」として販売されています。フィルム状という特性から、錠剤と違って口に入れれば唾液で自然と溶けるので、錠剤が苦手だった方に人気の形式です。また非常に薄いため、財布や名刺入れなどにこっそりと入れておくこともでき、錠剤を持ち運ぶのが恥ずかしかったり、上手い保管の仕方が分からなかった方にはお勧めの薬剤です。

この機会にシアリスも

レビトラとは構造的にも少し違うED治療薬としてシアリスもあります。レビトラのような即効性などに特にこだわらなければ、一度試してみるのも良いかもしれません。基本的にシアリスは長期的な効果の持続を主体としているので、レビトラやバイアグラに比べると効果が作用するまでに時間がかかりますが、逆に服用後に30時間前後も効果が持続するという特徴があります。食事の影響も受けにくく、副作用も控えめといわれていますが、効果が出るまでに時間がかかるため、性行為の3時間くらい前には服用しないといけないというデメリットがあります。

状況にあった選択を

最初に記載したように、これがレビトラの代替品だ!と断言できるED治療薬などはない状況ですが、比較的レビトラの効果などに似ているのがバイアグラ、今のレビトラ不足を機に作用時間が長いED治療薬に変えたければシアリス、という風に、レビトラの供給再開の目途が立たない現状では、ケースバイケースの選択肢を持つことが良いのかもしれません。