バイアグラの特許満了により、現在は複数の国内製薬メーカーからジェネリックバイアグラ(シルデナフィル錠)が製造・販売されています。有効成分はバイアグラと同じシルデナフィルで、効果も同等ながら価格は半額程度です。
この記事では、国内正規品8種類の特徴比較やインド製ジェネリック、費用、副作用、選び方まで網羅的に解説します。
バイアグラのジェネリック医薬品
ファイザー製薬が保有するバイアグラの物質特許が2013年5月に、用途特許が2014年5月にそれぞれ満了となりました。これにより、バイアグラの有効成分であるシルデナフィルを用いたED治療薬を他の医薬品メーカーが製造・販売することが可能になっています。
現在、日本国内ではさまざまな医薬品メーカーから「シルデナフィル錠」とよばれるバイアグラのジェネリック薬が、厚生労働省の認可を受けて正規販売されています。
すべて「シルデナフィル錠」という名称になっているのは、ファイザー製薬が「バイアグラ」を商標登録しているためです。以前はジェネリック薬にメーカー独自の名前を付けていましたが、医師や薬剤師の負担軽減のため、有効成分の一般名称+剤型・含有量・会社名を付けることが義務となりました。
そもそもジェネリックとは
ジェネリック医薬品(後発医薬品)とは、新薬の特許が満了した後に、同じ有効成分を含有した医薬品を他の医薬品メーカーが製造・販売するものです。
新薬の開発には数百億円規模の開発費と10年以上の期間がかかるため、大手の製薬企業でなければ新薬開発は非常に困難です。しかしジェネリック薬は既に発見・開発された成分を流用でき、その品質が新薬と同等であることが証明されれば正規品として販売可能です。開発コストは数千万円規模に抑えられるため、中規模の医薬品メーカーでも参入できます。
開発コストが低い分、販売価格も新薬の半額程度になることがあり、より多くの方が服用しやすくなっています。ただし、バイアグラと同じく医師による処方が原則の医薬品です。同じ有効成分を含んでいるため同等の副作用もあらわれる可能性があり、自己判断での間違った服用は命に関わる危険性もあります。
日本のジェネリックバイアグラ
日本国内では複数の製薬企業がバイアグラのジェネリック薬を製造・販売しています。主なメーカーとしては東和薬品、キッセイ薬品工業、陽進堂、あすか製薬、富士化学工業、大興製薬、辰巳化学、武田テバファーマなどが挙げられます。
シルデナフィルOD錠「トーワ」(東和薬品)
バイアグラの特許満了直後の2014年5月に販売開始。最大の特徴は水なしで飲めるOD錠であることです。東和薬品独自の「RACTAB」技術により、一般的なOD錠にはない溶けやすさを実現しています。
苦みを抑えるマスキング技術や口の中のザラザラ感を抑える微粒子化技術が用いられており、レモン味とコーヒー味の2種類があります。噛み砕くと非常に苦いバイアグラと比べると格段に飲みやすい設計です。
錠剤の中央に割線(切り込み)が入っているため、50mg錠を半分にして飲みたい方にも便利です。口に入れてから溶け出すまでのスピードはバイアグラより早いですが、体内での吸収速度や作用時間はほぼ同じです。使用期限は約3年前後とされています。
シルデナフィル錠「キッセイ」(キッセイ薬品工業)
2014年9月に販売開始。水と一緒に服用するタイプの錠剤で、錠剤の色もバイアグラと同じブルーです。添加物を含む中身もバイアグラとほぼ同一のため、「今までのバイアグラと違和感なく服用できる」との意見が多いとされています。使用期限は約2年前後です。
シルデナフィル錠「YD」(陽進堂)
富山県に本社を置く陽進堂が2014年8月に販売開始。50mg錠が販売されており、水と一緒に服用するタイプです。錠剤の色はバイアグラと同じブルーですが、形状は楕円形となっています。
シルデナフィル錠「あすか」(あすか製薬/武田薬品工業)
あすか製薬が製造し、主要株主である武田薬品工業が販売。2014年8月に販売開始。50mg錠で、錠剤の色はブルー、形状は楕円形です。
シルデナフィル錠「FCI」(富士化学工業)
富山県に本社を置く富士化学工業が2014年10月に販売開始。25mg錠と50mg錠の2種類。錠剤の色・形状・添加物がバイアグラと同じで、バイアグラに最も近いジェネリック薬といえます。ファイザー製バイアグラに愛着がある方に人気があります。
シルデナフィル錠「DK」(大興製薬)
埼玉県の大興製薬が製造し、本草製薬と摩耶堂製薬が販売。2014年9月に販売開始。本草製薬では50mg錠のみ、摩耶堂製薬では25mg錠と50mg錠の2種類を販売。錠剤の色はピンク色で形状も丸型と、バイアグラとはかなり違った印象です。
シルデナフィル錠「TCK」(辰巳化学)
石川県の辰巳化学が2014年9月に販売開始。25mg錠と50mg錠の2種類。DKと同様に錠剤の色はピンク色で形状は丸型です。
シルデナフィル錠「テバ」(武田テバファーマ)
武田薬品工業とテバ・ファーマスーティカル・インダストリーズが設立した合弁会社、武田テバファーマが2014年10月に販売開始。25mg錠と50mg錠の2種類。こちらも錠剤の色はピンク色で丸型です。
国内正規ジェネリック比較表
| 製品名 | メーカー | 発売日 | 規格 | 色・形 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|
| トーワ | 東和薬品 | 2014年5月 | 25mg・50mg | 白色・丸型 | 水なしOD錠 レモン味・コーヒー味 割線入り |
| キッセイ | キッセイ薬品工業 | 2014年9月 | 25mg・50mg | ブルー・菱形 | バイアグラとほぼ同一の中身 |
| YD | 陽進堂 | 2014年8月 | 50mg | ブルー・楕円形 | |
| あすか | あすか製薬 (武田薬品が販売) | 2014年8月 | 50mg | ブルー・楕円形 | |
| FCI | 富士化学工業 | 2014年10月 | 25mg・50mg | ブルー・菱形 | バイアグラに最も近い 添加物も同一 |
| DK | 大興製薬 | 2014年9月 | 25mg・50mg | ピンク色・丸型 | |
| TCK | 辰巳化学 | 2014年9月 | 25mg・50mg | ピンク色・丸型 | |
| テバ | 武田テバファーマ | 2014年10月 | 25mg・50mg | ピンク色・丸型 |
インド製のジェネリックバイアグラ
インドでは国際的な特許の扱いが特殊で、ジェネリック薬の製造が日常的に行われています。バイアグラのジェネリック薬も早い段階から製造・販売されていますが、日本国内では厚生労働省の認可は下りておらず、正規の処方ルートでは流通していません。入手するには個人輸入やインターネット通販で自己責任として購入する必要があります。
カマグラ(アジャンタ・ファーマ社)
インドのムンバイに本社のあるアジャンタ・ファーマ社が製造・販売。バイアグラと同じシルデナフィルを有効成分としています。バイアグラと異なりさまざまな薬剤形状のバリエーションがある点が特徴的です。通常の錠剤に加え、水に溶かして飲む発泡剤タイプ、ライチ味・グァバ味などのフルーツ味のゼリータイプ、バナナ味・パイナップル味の水なしタブレットなど多種多様です。
ただし形状によって効果にバラつきがあるといわれています。
ぺネグラ(ザイダス社)
インドのザイダス社が製造・販売。有効成分や他の含有物もバイアグラと似ており、同様の効果が期待できるとされています。しかし偽造品がかなり多く出回っているため、通販や個人輸入で入手したペネグラは非常に危険です。
ザイダス社はかつて日本にもザイダスファーマ株式会社という日本法人を設立し、厚生労働省の認可を受けたジェネリック薬を販売していましたが、2014年に日本から撤退しています。
カベルタ(ランバクシー・ラボラトリーズ社)
世界各国に製造工場を持つインド最大手の製薬企業ランバクシー・ラボラトリーズ社が製造・販売。シルデナフィルを有効成分としており、効果はバイアグラと同等とされています。ランバクシー社は2008年に日本の第一三共株式会社に買収されましたが、現在はサン・ファーマ社の子会社となっています。
ペネグラ同様に偽造品が多く出回っており、信頼性の高いカベルタを入手するにはインド国内の医療機関で直接処方を受けるしかないのが現状です。
シラグラ(シプラ社)
インドのムンバイに本社のあるシプラ社が販売。偽造品が多いため、正規品の入手はインド国内の医療機関での処方に限られます。1錠あたりの金額がバイアグラの約1/10程度と非常に安価なため、個人輸入での入手を試みる方もいますが、安全面でのリスクが高い点に注意が必要です。
ジェネリック薬の費用
バイアグラと同様にジェネリック薬の処方も自由診療となります。ジェネリック薬は開発費が抑えられているため、バイアグラよりも安価に設定されています。
| 規格 | 1錠あたりの価格 | バイアグラとの比較 |
|---|---|---|
| 25mg | 700〜800円前後 | バイアグラの約半額 |
| 50mg | 1,000円前後 | 最低でも2〜3割安 |
海外製のジェネリックバイアグラは日本国内の医療機関では原則処方されませんが、海外サイト等の通販ではバイアグラの7〜8割安い価格のものも存在します。ただし厚生労働省の認可は下りておらず、自己責任での入手・服用となります。
薬剤以外の費用
クリニックによっては薬剤の料金に加えて、診察時の受診料(5,000〜10,000円程度)が別途必要となる場合があります。事前にクリニックのWebサイト等で確認しておきましょう。
ジェネリック薬の有効成分
バイアグラのジェネリック薬は、本家バイアグラと同じシルデナフィルクエン酸塩を主な有効成分としています。白色の結晶性の粉末で、水やメタノールにやや溶けにくく、アセトニトリル・エタノール・ジエチルエーテルには極めて溶けにくいという性質を持っています。
水に溶けやすいレビトラに比べると即効性はやや劣りますが、シアリスよりは効果が早くあらわれるとされています。噛み砕いても胃に入れても溶け出す時間はほぼ同じなため、わざわざ噛み砕く必要はありません。
ジェネリック薬の25mgと50mgの違い
バイアグラと同じく、有効成分シルデナフィルの含有量の違いだけで、他の成分に差はありません。25mg錠よりも50mg錠の方が強い効果が期待できます。
金額的には50mg錠が25mg錠の2倍になるわけではないため、50mg錠を購入してピルカッターで半分に割って服用する方も多いようです。「トーワ」や「あすか」などの一部ジェネリック薬には、すでに割るための割線が入っている錠剤もあるので、簡単に割ることができます。
普通のハサミで割ると粉々になりやすいため、市販のピルカッターの使用をおすすめします。
ジェネリック薬の作用時間の目安
バイアグラと同じく、以下の作用時間が期待できます。
- 25mg錠:約4〜5時間程度
- 50mg錠:約5〜6時間程度
服用後、空腹時なら約30分程度、通常なら1時間程度で体内に有効成分が吸収されます。性行為の1時間くらい前に服用するのが最適なタイミングとされています。
ジェネリック薬の副作用
基本的にはバイアグラと同じ副作用があらわれると考えて問題ありません。
| 副作用 | 症状 |
|---|---|
| 顔のほてり | 顔全体に赤みが出て熱く感じる |
| 目の充血 | 血管拡張により白目が赤くなる |
| 頭痛 | 飲酒時に頭痛が出やすい方に多い |
| 動悸 | 血管拡張により心臓の動きが活発に |
シルデナフィルに血管拡張作用があるため、これらは薬の効果が出始めたサインともいえます。特に「顔のほてり」や「目の充血」は服用した方のほとんどにあらわれる症状ですが、特に心配する必要はありません。
併用禁忌薬もバイアグラと同様の注意が必要です。ただし、一部ジェネリック薬にはバイアグラとは異なる添加物が含まれているものもあるため、バイアグラではあらわれなかった副作用が出る可能性もあります。
ジェネリック薬の保存方法
ジェネリック薬はファイザー製のバイアグラよりも使用期限が短い傾向にあります。詳細な使用期限は処方を受けた医療機関で確認してください。
| 保存状態 | 使用期限の目安 | 注意点 |
|---|---|---|
| シートのまま(未開封) | 製造から約3年前後 (種類により異なる) | 直射日光を避け室温保存 冷蔵庫は温度差で湿気が発生するため非推奨 |
| シートから取り出した状態 | 約1年 | 高温多湿を避けて保存 |
| 錠剤を割った状態 | なるべく早めに服用 | ラップで包み空気を遮断 コーティングが剥がれ湿気を含みやすい |
服用時の注意点
基本的にバイアグラの服用方法と注意点は同じです。服用から約30分〜1時間で効果が出始めるため、性行為の1時間前の服用が推奨されています。空腹時の服用がベストで、食後に服用すると効果がかなり減少します。
持病や併用禁忌薬もバイアグラと同じ注意が必要です。
飲み方
- 水で服用するのがベスト。お茶や清涼飲料水でも可
- 牛乳など脂肪分を含む飲み物は吸収を妨げるため避ける
- グレープフルーツジュースでの服用は危険。血中濃度が高まり副作用が出やすくなる
- 「トーワ」などの一部ジェネリックには水なしで服用できるOD錠もある
アルコールとの併用
適量のアルコールならば問題はなく、精神が安定する効果も期待できます。しかし飲みすぎるとアルコールの影響で脳からの神経伝達が妨げられ、勃起ができなくなるので注意が必要です。
ジェネリック薬の処方
バイアグラと同様に、ジェネリック薬も医療機関からの処方を受ける必要があります。処方の流れはバイアグラと同じです。
クリニックでの処方
医師またはカウンセラーによる問診が行われます。服用に関する説明や注意点の案内があり、クリニックによっては血圧測定なども実施されます。問診時がドクターと直接コミュニケーションがとれるタイミングなので、不明点や不安なことがあれば遠慮せずに質問しましょう。
オンライン診療
最近ではパソコンやスマートフォンを使ったオンライン診療(遠隔診療)を導入するクリニックも増えています。専用のWebサイトやアプリで医師とビデオ通話による問診を受け、処方薬を指定住所に配送してもらう形です。
自宅での受け取りが困難な方は宅急便の営業所留めにできるクリニックも多く、クレジットカード決済にも対応しています。全く他人と接触せずにED治療薬を処方してもらうことが可能です。
ジェネリックの選び方
日本国内だけでもさまざまなメーカーからバイアグラのジェネリック薬が販売されています。どれが自分に合うのか、選択する目安として以下のポイントを紹介します。
効果で選ぶ
基本的に同じ有効成分で構成されているため、ジェネリックごとに効果が大きく違うということはありません。厚生労働省が一定の効果を認めた上で認可を下ろしています。ただし添加物の違いにより若干の差が出る可能性はありますが、あくまで個人差レベルです。
見た目で選ぶ
バイアグラのイメージに近い薬を求める方は、同じブルーで形状も似ている「キッセイ」「YD」「あすか」「FCI」が適しています。特に「FCI」は色・形状・添加物すべてがバイアグラと同一です。
逆にバイアグラと見た目が違う薬がよい方は、ピンク色で丸型の「DK」「TCK」「テバ」が選択肢となります。
特徴で選ぶ
東和薬品の「トーワ」は最も特徴的なジェネリック薬です。水なしで飲める唯一のOD錠で、口に入れるとラムネのようにスッと溶けます。レモン味とコーヒー味の2種類があり、苦くて飲みにくいと感じていた方に最適です。
他のジェネリックは色・形状を除けば大きな特徴の差はありません。
メーカーブランドで選ぶ
大手メーカーから中小の製薬会社まで、さまざまなメーカーがジェネリックを製造・販売しています。「大手だから安心」「知名度が高いから信頼できる」といった基準で選ぶことも可能ですが、有効成分・効果は同じなので、どのメーカーが良いとは一概にはいえません。あくまで参考程度にされるとよいでしょう。
安全なジェネリックを選びましょう
やはり日本国内で「正規品」とされている、厚生労働省に承認されたジェネリック薬を医療機関で処方されるのが最も信頼性が高いといえます。
安価だからといってインド製のジェネリックを個人輸入して服用すると、予想外の副作用に苦しむ可能性もあります。信用度にお金を払うつもりで国内正規品を服用するのが得策です。