ザイザル(抗アレルギー薬:レボセチリジン)
ザイザル(Xyzal)は、有効成分レボセチリジン塩酸塩5mgを配合した第二世代抗ヒスタミン薬で、アレルギー性鼻炎や蕁麻疹の治療に用いられる先発医薬品です。
レボセチリジンはセチリジン(ジルテック)の光学活性体(R-エナンチオマー)であり、セチリジンの半量(5mg)で同等の抗ヒスタミン効果を発揮します。1日1回の服用で24時間にわたり効果が持続し、第二世代抗ヒスタミン薬のなかでも眠気が比較的少ないとされています。
日本では2010年にUCB Japan(現:ユーシービージャパン)が製造販売承認を取得し、販売はGSK(グラクソ・スミスクライン)が行う形で「ザイザル錠5mg」が発売されました、花粉症やアトピー性皮膚炎に伴うかゆみの治療に広く処方されています。
なお、本ページは薬剤師が執筆しております。
Atsu薬剤師資格をもち、現在でも調剤薬局で勤務しています。また医療雑誌の編集にも携わっております。
さらに、医学誌編集経験を持つ看護師が最終確認を行い、医療の専門家による二重のチェック体制で情報の正確性を担保しています。
Ray看護師資格を有し、総合病院で勤務。退職後、出版社に勤務し、医学誌の編集も担当しておりました。
※本ページの初稿は薬剤師が執筆しております。メドノア編集部が必要に応じて加筆・修正を行いますが、その際も情報の正確性と信頼性を損なわないよう細心の注意を払っています。
ザイザルの概要
- レボセチリジン塩酸塩5mgを配合した第二世代抗ヒスタミン薬の先発医薬品
- セチリジン(ジルテック)の光学活性体で、半量で同等の効果を発揮
- 1日1回の服用で24時間効果が持続
- 1箱20錠入り
当サイトで取り扱うザイザルの製造元はチェシファーマ(Chiesi Farmaceutici S.p.A.)です。チェシファーマは1935年にイタリア・パルマで設立された国際的な製薬企業で、呼吸器領域や希少疾患領域を中心に世界30か国以上で事業を展開しています。
ザイザルはもともとUCB社(ベルギー)が開発した製品です。日本国内ではユーシービージャパン株式会社が製造販売元であり、当サイトで取り扱う製品はチェシファーマが製造した海外流通品となります。
| 商品名 | ザイザル(Xyzal) |
|---|---|
| 有効成分 | レボセチリジン塩酸塩 5mg |
| 内容量 | 20錠(1箱) |
| 効果・効能 | ・アレルギー性鼻炎 ・蕁麻疹 ・湿疹・皮膚炎に伴うそう痒 |
| 用法・用量 | 1日1回5mgを就寝前に服用 |
| 副作用 | ・眠気 ・倦怠感 ・口渇 |
| 形状・剤形 | フィルムコーティング錠 |
| ブランド | チェシファーマ(Chiesi Farmaceutici) |
Atsuザイザルの有効成分レボセチリジンは、セチリジン(ジルテック)のラセミ体から薬理活性の本体であるR-エナンチオマーのみを単離した成分です。
セチリジン10mg中に含まれるR-エナンチオマー5mgが、そのままザイザル1錠分に相当します。
そのため、セチリジンの半量で同等の抗ヒスタミン効果が期待できます。
日本の添付文書(ザイザル錠5mg)に記載された臨床試験データでは、通年性アレルギー性鼻炎を対象とした二重盲検比較試験において、プラセボ群と比較して鼻症状スコアの有意な改善が確認されました。
第二世代抗ヒスタミン薬のなかでもザイザルは「非鎮静性」に分類されるものの、添付文書では自動車の運転等に関する注意喚起がなされています。
個人差により眠気が生じることがあるため、就寝前の服用が推奨されているのはこのためです。
ザイザルはこんな方におすすめ
- 花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)のくしゃみ・鼻水・鼻づまりに悩んでいる方
- ハウスダストやダニによる通年性アレルギー性鼻炎の方
- 蕁麻疹やアトピー性皮膚炎に伴うかゆみを抑えたい方
- 眠気が少ない抗ヒスタミン薬を探している方
- ジルテック(セチリジン)と同等の効果を低用量で得たい方
ザイザルの有効成分について
ザイザルには、第二世代抗ヒスタミン薬であるレボセチリジン塩酸塩が5mg配合されています。
レボセチリジンはヒスタミンH1受容体に選択的に結合し、アレルギー反応の原因物質であるヒスタミンがH1受容体に結合するのを競合的に阻害します。これにより、くしゃみ、鼻水、かゆみ、蕁麻疹などのアレルギー症状が抑制されます。
第二世代抗ヒスタミン薬は血液脳関門を通過しにくいため、第一世代(ジフェンヒドラミン等)と比較して中枢神経への影響が少なく、眠気やインペアードパフォーマンス(気づきにくい能力低下)が軽減されています。
Atsuレボセチリジンとセチリジン(ジルテック)の関係を補足します。
セチリジンはR-エナンチオマーとS-エナンチオマーが1:1で混合されたラセミ体ですが、H1受容体への結合親和性が高く薬理活性の本体となっているのはR-エナンチオマー(レボセチリジン)です。
S-エナンチオマーにはほとんど抗ヒスタミン活性が認められません。
レボセチリジンの血中半減期は約7〜8時間ですが、H1受容体からの解離が緩やかなため、1日1回の服用で24時間にわたる効果持続が可能となっています。
これは受容体占有時間(receptor occupancy)が薬効持続の主要因であるためです。
なお、ザイザルは添付文書上「自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないよう注意すること」と記載されています。
脳内H1受容体占有率は第二世代のなかではやや高めとされており(約20〜30%)、運転前の服用には十分ご注意ください。
ザイザルの効果・効能
- アレルギー性鼻炎:季節性(花粉症)および通年性のくしゃみ・鼻水・鼻づまりの改善
- 蕁麻疹:急性・慢性蕁麻疹のかゆみや発疹の改善
- 湿疹・皮膚炎に伴うそう痒:アトピー性皮膚炎などに伴うかゆみの緩和
効果は服用後約1時間で現れ始め、24時間にわたり持続します。花粉症シーズンには花粉の飛散が始まる前から服用を開始すると、症状を効果的に抑えることが期待できます。
ザイザルの服用方法
ザイザルは1日1回5mgを就寝前に水またはぬるま湯で服用します。
| 1回の服用量 | 1錠(レボセチリジン5mg) |
|---|---|
| 服用回数 | 1日1回 |
| 服用タイミング | 就寝前(眠気対策) |
| 効果発現 | 服用後約1時間 |
| 効果持続時間 | 24時間 |
| 食事の影響 | 食事の有無を問わず服用可 |
服用上の注意
- 眠気が生じることがあるため、就寝前の服用が推奨されます
- 腎機能が低下している方は用量の調整が必要な場合があります
- アルコールとの併用は眠気を増強するおそれがあるため注意してください
- 症状が改善しても、花粉シーズン中は服用を継続してください
Atsuザイザルは就寝前の服用が推奨されていますが、これは眠気の副作用を睡眠時間と重なるように調整するためです。
レボセチリジンのTmax(最高血中濃度到達時間)は約0.9時間であり、服用後比較的速やかに血中濃度がピークに達します。
就寝前に服用すれば、眠気が最も出やすい時間帯と睡眠時間が一致するため、翌日の日中への影響が軽減されるという考え方です。
レボセチリジンは腎排泄型の薬剤であり、未変化体のまま約85%が尿中に排泄されます。
そのため、腎機能が低下している方ではクリアランスが低下し、血中濃度が上昇するおそれがあります。
添付文書では、クレアチニンクリアランスに応じた用量調整が示されています。
中等度以上の腎機能障害がある方は、服用間隔の延長や減量が必要となる場合があるため、必ず医師にご相談ください。
ザイザルの警告・禁忌・副作用
禁忌(服用できない方)
- レボセチリジン、セチリジンまたはヒドロキシジンに対して過敏症の既往歴がある方
- 重度の腎障害(クレアチニンクリアランス10mL/min未満)の方
副作用
ザイザルで起こる可能性のある主な副作用は以下のとおりです。
- 眠気(最も多い副作用)
- 倦怠感
- 口渇
- 頭痛
- 腹痛
これらの副作用の多くは軽度で一時的なものです。眠気が生じる場合は車の運転や機械の操作には注意してください。
重篤な副作用
ごくまれに、以下のような重篤な副作用が報告されています。
- ショック、アナフィラキシー
- けいれん
- 肝機能障害
- 血小板減少
Atsuザイザルの眠気の発現率は、海外臨床試験(インタビューフォーム記載)によると約5.2%と報告されています。
フェキソフェナジン(アレグラ)やビラスチン(ビラノア)、ロラタジン(クラリチン)やデスロラタジン(デザレックス)のように添付文書上「自動車運転の注意書きがない」薬剤と比較すると、ザイザルは眠気のリスクがやや高い分類に位置づけられます。
日本アレルギー学会の「鼻アレルギー診療ガイドライン」においても、ザイザル(レボセチリジン)は運転時の注意喚起がある抗ヒスタミン薬として分類されています。
ただし、第一世代抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン等)と比較すれば眠気の頻度は大幅に低く、多くの方は日常生活に支障なく使用可能です。
眠気が心配な場合は就寝前に服用し、翌日の日中に影響が出ないか確認するとよいでしょう。
ザイザルの注意事項
- 眠気が生じることがあるため、車の運転や機械の操作には注意してください
- アルコールとの併用は眠気を増強するため注意してください
- 腎機能が低下している方は用量調整が必要な場合があります
- 妊娠中・授乳中の方は服用前に医師にご相談ください
- 高温多湿を避け、直射日光の当たらない場所で保管してください
- 子どもの手の届かない場所に保管してください
ザイザルのよくある質問
ザイザルとジルテックの違いは何ですか?
ザイザルの有効成分レボセチリジンは、ジルテック(セチリジン)の光学活性体(R-エナンチオマー)です。
ザイザル5mgとジルテック10mgは同等の抗ヒスタミン効果を持ち、レボセチリジンはセチリジンの半量で同じ効果が得られます。不要なS-エナンチオマーを含まない分、副作用の軽減が期待されています。
眠くなりますか?
第二世代抗ヒスタミン薬であるザイザルは、第一世代と比較して眠気が少ないのが特徴ですが、約5.2%の方に眠気が報告されています。
就寝前に服用することで日中の眠気を軽減できます。眠気が強い場合は車の運転を控えてください。
花粉症のシーズン前から飲み始めるべきですか?
花粉の飛散が始まる1〜2週間前から服用を開始すると、シーズン中の症状を効果的に抑えられるとされています。
これは「初期療法」と呼ばれるアプローチであり、アレルギー反応が本格化する前から受容体をブロックしておくことで、症状の発現を遅らせたり軽減したりする効果が期待されています。
アレグラとどちらがよいですか?
ザイザル(レボセチリジン)とアレグラ(フェキソフェナジン)はいずれも第二世代抗ヒスタミン薬ですが、特性が異なります。
ザイザルは抗ヒスタミン作用が強力で1日1回の服用で済みますが、眠気のリスクがやや高めです。アレグラは眠気が非常に少なく運転制限もありませんが、1日2回の服用が必要です。症状の程度やライフスタイルに応じて選択してください。
長期間飲み続けても大丈夫ですか?
ザイザルは長期服用に適した薬剤であり、通年性アレルギー性鼻炎や慢性蕁麻疹の方は長期間にわたって服用を継続することがあります。
抗ヒスタミン薬には薬剤耐性(効果の減弱)が生じにくいとされており、継続して使用しても効果が低下することは通常ありません。
ザイザルに関連する添付文書等の参考資料
ザイザルの有効成分(レボセチリジン)に関する参考資料を以下に掲載します。