歯形歯周炎として知られる重度の歯周病がある男性はED(勃起不全)のリスクが高く、若い男性と高齢男性には特にそのリスクがあるということが新しい研究でわかり、米アトランタで開催された米国泌尿器科学会(AUA)年次集会で発表されました。

台湾の東亜病院、台北医学大学 Herng-Ching Lin医務管理学部の研究者らは、大規模研究のデータを用いて、EDの男性ほぼ3万3,000人を特定するとともに、EDではない男性約16万2,000人を対照群として無作為に選択しました。被験者のうち約12%に歯周炎が認められ、この群には、EDを有する男性の約27%、EDではない男性の約9%が含まれていました。追跡期間は5年間でした。

30歳未満、70歳超の男性は歯周病に注意
この結果、ED患者群ではEDではない対照群に比べて、歯周病の有病率がはるかに多いことがわかりました。収入や既存の疾患、生活習慣などの因子を考慮しても、特に30歳未満と70歳超の男性では、歯周病がやはりEDと関係していました。ただし、今回の研究では歯周病がEDを引き起こすということではなく、単にこの2つの間に関連があることを示したに過ぎません。

体内の炎症で血管がダメージ?
別の専門家はこの関連性について、「体内の炎症により、陰茎へ血液を供給する血管がダメージを受ける可能性が考えられる」としています。学会で発表されたデータ及び結論は、研究者同士で内容をよく吟味し、医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなすということですが、歯周病になってしまったら早期に治療することによって、少しはEDのリスクを減らすことができるのかもしれません。