日本性機能学会・第23回学術総会2012年9月20日~22日の3日間、東京都秋葉原UDXギャラリーにおいて、日本性機能学会の第23回学術総会が開催されました。

日本性機能学会および学術総会については、過去に掲載した「日本性機能学会・第22回学術総会」でご紹介したとおりです。第23回日本性機能学会学術総会は、最新ITテクノロジーとクールジャパンの呼び名で世界中から愛されているポップカルチャーを同時に発信する街、秋葉原を開催地に選定し、学会の会員である医師や大学教授らだけでなく、泌尿器科学以外の分野からも多数の研究者らが集い、大盛況のうちに幕を閉じました。

今回のテーマは「AKIBAから世界へ」
毎年違ったテーマで開催される学術総会ですが、今回のテーマは「AKIBAから世界へ」と題され、現代性や国際性を意識したシンポジュウム、研究発表、講演などが目立ちました。当然、都市名が学会テーマに入るという斬新さは参加者の話題をさらいましたが、これは「独自のコンテンツを日本から世界中に発信している場所」という意味での「AKIBA」なのだ、ということが講演内容からも明確に伝わってきました。開催地の持っている個性のように、日本性機能学会も、今以上に世界に向けて発信を続けてゆくべきであるというコンセプトが、学術総会全体に満ちていました。

世界への発信とアップデート
性機能医学の世界でいえば、グローバルな学術会議を開催している世界規模の学会、国際性機能学会(ISSM)があり、その舞台こそが、まさに性機能医療の世界標準と呼べるものです。当然、今回の学術総会においても、その話題がシンポジュウム等で何度となく触れられました。ISSMには、日本性機能学会からも多数の研究者が参加しており、日本性機能学会が国際的なスタンダードに遅れることなく付いていき、進歩を続けていること、国際的な場で生まれる性機能医学の最新常識を欠かすことなくアップデートし続け、それによって国内の性機能医療を発展させるべきであることなどが確認されました。

女性性機能医学やSNS、3D技術応用も論題に
前回の学術総会に比べ、明らかにボリュームが増加したのは、女性の性機能障害とその治療に関わる問題を扱った講演でした。より男女平等な性機能医学を目指すことこそ、真のグローバルスタンダードに準じた性機能医学なのであるとの提唱がなされ、女性がもっと豊かに性生活楽しみ、偏見を持たれることなくその周辺問題について論じたりできる社会環境を確立するため、進歩的な意識を積極的に推進してゆくべきであるとの意見が述べられました。また、進化したテクノロジーとしての3D技術の医学的応用や、ネットと実社会を繋ぐ最重要ツールとなったソーシャルネットワーク、さらにはスマートフォンなどの最新デバイスを、どのように診療現場へ活用するかなども論題として取り上げられ、性機能医学を取り巻く環境の急速な変化と、それに対応して前進を続けようとする意識が強く感じられました。

日本の性機能医学が国際的な舞台で主役を演じ、世界の性機能医学を牽引する日が、近い将来訪れるのではないか。そんなことを、参加者に予感させる第23回日本性機能学会学術総会でした。数多くの講演の中から、ED治療と関係の深いものの詳細について、ED治療ナビ内で順次ご紹介していきます。