ジョージさん(62歳・男性)からの質問

私は心房細動の疾患があるため、ペースメーカーを入れているのですが、このような状態でもバイアグラを処方してもらうことはが可能でしょうか。

回答

現状では、ペースメーカーを入れられている方がバイアグラなどのED治療薬の処方を受けるのは難しいでしょう。
ED治療薬は大まかにいうと血液の巡りを良くして勃起を促す効果があるため、ペースメーカーを使用していたり、心臓に重い疾患がある場合は通常とは血流の状態が変化していることもあるので、一般的な副作用だけではない重篤な健康被害を起こす危険性があります。
また血管が弱くなっている人は、ED治療薬の服用によって急激な血流量の増加が起きてしまい、血管が破れて内出血を引き起こす可能性もあります。

しかし心臓疾患のある人全てがED治療を受けられないということではありません。心臓の疾患や血管の疾患でも状態や病状によっては、ED治療薬の服用による治療を受けることも可能です。もし治療薬の服用での治療が難しいとされたとしても、「ED1000」などの医療器具を使用して治療を行うことも可能です。ただし、一歩間違えると死につながる心臓なので、ED治療薬の服用は自己判断せずに、主治医やED専門クリニック等の医師に相談して決めるようにしてください。

以下のような持病や薬の服用を行っている方はバイアグラの服用が認められていない場合がありますのでご注意ください。

以前にバイアグラ服用でアレルギーを起こした方

以前に、バイアグラを服用したことで「かゆみ」「眼瞼そう痒感」「発疹」などの過敏反応の関与が否定できない副作用症状が起きた方は、バイアグラの服用はご注意ください。またバイアグラに含まれる添加物として「青色2号」などが含まれていますが、これらの成分に対してもアレルギー反応を起こした方の服用も認められていません。

硝酸薬や一酸化窒素供与剤をご使用の方

飲み薬や貼り薬も含む硝酸薬、もしくはニトログリセリン・亜硝酸アミル・硝酸イソソルビドなどの一酸化窒素供与剤を投与している方は絶対にバイアグラを服用しないでください。バイアグラはサイクリックGMP(cGMP)特異的ホスホジエステラーゼタイプ5(PDE5)阻害薬であり、PDE5が存在する血管平滑筋において一酸化窒素の弛緩反応を増強することが認められているため、硝酸剤あるいはその他の一酸化窒素供与剤と併用すると、急激な血圧低下を増強し、場合によっては死亡事故につながる可能性があります。バイアグラの服用を考えている方は一度、現在お使いの薬の中に硝酸剤などがが含まれていないかをご確認ください。

心臓に関わる持病がある方

狭心症や重度の心血管系障害・心不全などの心臓に関わる持病がある方は、性行為時に心拍数・血圧・心筋酸素消費量が増加することが分かっており、性行為自体が危険行為と考えられています。過去6ヵ月以内に心不全や不安定狭心症、命に関わる不整脈などを発症した人においては患者は、臨床試験からも除外されており、バイアグラ服用の対象として不適当と考えられています。また、心筋梗塞を患ったことのある方においては、性行為自体が心臓へのリスクを伴うため十分ご注意ください。

脳血管に病気のある方

脳梗塞や脳出血などの脳血管に疾患のある方は、血圧の変化に対して脳循環を一定に保つ自動調節機能に障害があるとされており、血圧の下降が脳循環の低下に結びつく可能性があることから、全身の血管を拡張させて軽度の血圧低下を起こすバイアグラを服用することは認められていません。臨床試験においても、過去6ヵ月以内に脳梗塞・脳出血を発症したことのある方は対象から除外されています。

重度の肝機能障害のある方

バイアグラは主に肝臓で代謝されて排泄されるため、重い肝機能障害がある人がバイアグラを服用した場合、肝臓機能の低下によりバイアグラの排泄が遅延し、血漿中濃度が増大する可能性があるため服用が認められていません。また、これらの理由で臨床試験の対象としても除外されています。

抗不整脈薬をご使用の方

類似薬であるバルデナフィルと、抗不整脈薬に含まれる塩酸アミオダロンを併用することで、QTc延長作用が増強する可能性があるため、塩酸アミオダロンを服用している人のバイアグラ服用は認められていません。症例としてバイアグラと塩酸アミオダロンの併用によってQTc延長が増強されたという報告はほとんどありませんが、バイアグラもバルデナフィルと同じPDE5阻害薬であるため、バルデナフィルで認められた心臓再分極に対する作用が起こる可能性も否定できないのが現状です。

これら以外にも、腎臓や肝臓の病気・赤血球の異常・白血病・多発性骨髄腫・薬物アレルギー・十二指腸潰瘍・遺伝性の目の疾患のある方や、他のED治療薬や既に服用している薬がある方は、クリニックの医師や薬剤師に一度ご相談ください。バイアグラ服用以前に、性行為自体が心臓に負担をかけてしまうため、ご自身の健康状態をしっかりと把握し、不安な点は随時医師などと相談するようにしてください。

事前にしっかり確認を

心臓の疾患を含め、ED治療薬の服用にはさまざまな注意点が存在します。病気はもちろん、すでに服用している薬の種類など、微妙な部分が命に関わる可能性があるため、ED治療薬の服用を考えている方は、しっかりと確認・調査が必要です。

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