ある調査がセックスレスと夫婦の関係を浮き彫りに

家族のシルエット少し前のことになってしまいましたが、日本のセックスレスの現状や家族計画について2年に1度調査を行っている日本家族計画協会が、今年も調査結果を発表しました。これに関して私も週刊ポストや女性セブンなど週刊誌から特集の取材を受けました。

調査のタイトルは「男女の生活と意識に関する調査」です。16〜49歳の男女1134人対象の大きな調査です。

手をつなぐ夫婦2004年の時点ではセックスレス夫婦・カップルの割合は31.9%。2015年発表分は44.6%です。私が運営する夫婦仲相談所でも40代カップルのセックスレスの悩みは深刻ですが、この調査でも40~44歳で54.9%。半数の夫婦がセックスレスという結果をはじき出しております。

日々、セックスレスやEDの相談を受けている私の所感では6、7割くらいがセックスレスと思っています。学会の定義が厳しすぎるのか「ひと月以上セクシャルコンタクトがない」という「30日縛り」がありますから、どうしてもセックスレス夫婦の割合が多いと感じてしまいますね。

世帯収入が高い夫婦ほどセックスレスになる!?

今回注目したいのは私が以前から思っていた「世帯年収が高い夫婦ほどセックスレスが多い」という論が裏付けられた結果が出ています。

お札世帯年収1000万円以上のセックスレス夫婦の割合は51.4%で最も高い結果が出ています。これは夫一人で稼いでいる場合も相当なハードワーク、夫が500万、妻が500万としても二人でハードワークというライフスタイルが透けて見えませんでしょうか。

1週間の労働時間が49時間を超過するとセックスレスが増えるデータも見ました。

理由のトップが男性では「疲れている」であるように、日本の働く世代は仕事や会社のお付き合いで疲れているのです。とはいえ、私の持論はまだまだありまして「疲れていようが、翌朝早起きしなくてはいけなかろうが、性欲がある人はします!」です。

セックスレスに陥る原因や理由は、体の疲れや翌日の予定を隠れ蓑にして、その裏側に隠されている可能性が高いのです。

「疲れている」は建前!セックスレスの本当の理由とは?

睡眠仕事で疲れているからセックスはしないは、正当な言い訳、美しい理由ですので、そっとしておきましょう。夫婦がセックスレスになる本当の理由は、カップルそれぞれにあるのです。

仕事で疲弊してストレスからEDになってしまった男性もいれば、外ではできるのに、マンネリ妻とはできない「妻だけED」もいます。女性側にも理由があります。ほかに楽しい事があってセックスなんか一生しなくていいという人もいれば、「夫とはしたくないけれど斉藤工タイプの職場の後輩とならアバンチュールを楽しみたい」という人もいます。

セックスレスの根本的な疑問――性欲はいつまである?

ふたりともが「一生なくてよし」というセックスレス肯定派のご夫婦なら何の問題もありません。ほかの人とはしたいかも・・と魔が差す場合にご自分の性のポテンシャルがくっきり見えてきます。

高齢化社会、老人が集う場での恋や性の問題も明らかになって来ています。本格的なセックスレス夫婦に突入してしまう前の、30代、40代のうちに「私たち二人の性」についてはよく話し合っておく必要があるとつくづく思うのであります。

シニア世代の夫婦ちなみに30代40代の方は30年先も性欲があるだろうか?と自問してみてください。自分はまったくないのにパートナーが迫って来たらどうしましょう。シニアになっても性欲があるくらい、はつらつと健康でありたいものです。